【2025年最新】Tenstorrent(テンストレント)とは|RISC-V×AIチップで台頭する超マイナー有望株(未上場)

【2025年最新】Tenstorrent(テンストレント)とは|RISC-V×AIチップで台頭する超マイナー有望株(未上場)

【2025年最新】Tenstorrent(テンストレント)とは|RISC-V×AIチップで台頭する超マイナー有望株(未上場)

Tenstorrent は、伝説的CPU設計者 Jim Keller 氏が率いる新興メーカー。
特徴は RISC-V CPU IP のライセンスAIアクセラレータ(Wormholeなど) の両輪、そしてオープンな開発環境です。
LGや日本のLSTCと提携、Hyundai/Samsung からの戦略出資、2025年はアナログ設計のBlue Cheetah買収で話題に。
日本語情報が極端に少ない“超ニッチ”ながら、AIインフラの周辺で存在感を高めています。

狙い目キーワード:Tenstorrent とはRISC-V CPU IPWormhole ボードAI アクセラレータ未上場 AI半導体

目次

  1. Tenstorrentの基礎知識(超要点)
  2. 製品・技術:Wormholeボードと開発環境
  3. Wormhole n150系 主要スペック早見表
  4. ビジネスモデル(AIチップ+RISC-V IPのハイブリッド)
  5. 最新動向(2024–2025)と提携・資本関係
  6. どこが強い?—競合比較とポジショニング
  7. 投資家チェックリスト(未上場ゆえの着眼点)
  8. まとめ:なぜ今Tenstorrentを押さえるべきか

Tenstorrentの基礎知識(超要点)

社名Tenstorrent Inc.
トップCEO:Jim Keller(2023年就任、AMD/Apple/Tesla/IntelなどでCPU/GPU設計を主導)
事業①AIアクセラレータ(アドインボード/サーバ) ②RISC-V CPU/AI IPライセンス
特徴フルオープンなソフトウェア/ドキュメント、メッシュ接続で拡張できる独自アーキテクチャ
資本Hyundai/Kia、Samsung Catalyst Fund等からの戦略出資($100Mラウンド)
最近のM&A2025年:Blue Cheetah Analog Designを買収(アナログ/チップレット周辺の内製化)

“GPU一辺倒”ではない選択肢の多様化が進む中、RISC-V×AIのハイブリッド戦略は注目に値します。

製品・技術:Wormholeボードと開発環境

Wormhole™ n150d(開発者向けアドインボード)

  • 税込$1,099の価格帯で提供(アクティブクーラー付2.5スロット)
  • 単体でも、マルチチップ・メッシュで拡張してワークステーション~サーバ構成が可能
  • オープンソースのソフトウェアスタックを提供し「金属(HW)まで」アクセスできる開発体験

GPUの“ブラックボックス化”が進む中、学習用・研究用に向く開放的な環境は希少です。

Wormhole n150系 主要スペック早見表

項目仕様(n150/n300共通コア)ポイント
コア(Tensix) 80コア 多数の小コアで並列実行に最適化
オンチップSRAM 120MB(1.5MB×80) メモリアクセス遅延のボトルネック低減
メモリ 12GB GDDR6 / 192bit 推論~小中規模学習に適した帯域
TDP目安 ~160W(n150d) 一般的なワークステーションでも扱いやすい
価格感 約$1,099(n150d) 個人/研究室でも手が届く価格帯

n150/n300はSKU差があるため、用途や拡張構成(複数枚メッシュ)に応じて選定。

ビジネスモデル(AIチップ+RISC-V IPのハイブリッド)

  • ハードウェア直販:Wormholeボード、メッシュ接続サーバ(Galaxy等)。オープンなSDKで学術・企業の開発母数を増やす。
  • IPライセンス:RISC-V CPUやAI向けIPをライセンス提供。顧客が自社要件でカスタムSoC化しやすい。
  • 共同設計:顧客の用途に合わせたアーキテクチャ共創(日本のLSTC案件など)。

ハード販売だけでなくIP/共同設計で収益を多層化。未上場ベンチャーとしては堅実な組み立てです。

最新動向(2024–2025)と提携・資本関係

時期トピック要点
2023年8月 Hyundai/Samsung Catalyst Fund主導で$100M資金調達 自動車・エレクトロニクス大手との戦略関係を強化
2023年 Jim Keller氏がCEOに アーキテクト主導でRISC-VとAIの二正面を推進
2024年2月 日本のLSTCがRISC-V/チップレットの共同開発パートナーに選定 日本の人材育成・先端設計での連携が加速
2024年11月 LG Electronicsと提携拡大 自社製品向けのオンデバイスAI/将来モビリティまで協業範囲を拡張
2025年7月 Blue Cheetah Analog Designを買収 チップレット/アナログ混載の内製化を強化、設計垂直統合を推進

アジア大手との資本・事業提携が濃く、自動車・家電・日本の先端設計まで裾野が広いのが特徴。

どこが強い?—競合比較とポジショニング

領域Tenstorrent競合例差別化ポイント
AIアクセラレータ Wormhole(並列・メッシュ、オープンSDK) NVIDIA(GPU)、Groq(LPU)等 “開放的”開発体験と価格帯。研究・PoCに向く。
RISC-V CPU/IP RISC-VベースのCPU/AI IPをライセンス SiFive、Andes、ARM(対抗) AIアクセラと組み合わせた“ヘテロ”提案力
共同設計 LSTC/日本、LG など 大手半導体、OSAT、設計ハウス トップ主導のスピード×顧客別カスタム対応

GPU王者に真っ向勝負ではなく、“開放性+協業”で周辺から攻めるのが現実解。

投資家チェックリスト(未上場ゆえの着眼点)

観点見るべき指標示唆
商用採用Wormholeの量産採用数、メッシュ構成の実績PoCから本番移行のトラッキングが重要
IP収益RISC-V/AI IPのライセンス件数・ロイヤリティ増加ハード不況でも底堅さを出せるかの試金石
提携の深度LG/Hyundai/日本LSTCでの量産/教育・共同設計の進捗“実需”へ繋がるかを確認
製品更新n300以降の新SKU、ソフト堅牢化(コンパイラ/フレームワーク)開発体験が広がればエコシステムが太る
資金/人材調達環境、アナログ/チップレット人材の獲得Blue Cheetah買収のシナジーを検証

未上場のため決算は限定的。製品ロードマップと提携の質が最重要KPIになります。

まとめ:なぜ今Tenstorrentを押さえるべきか

Tenstorrentは、RISC-V IP×AIアクセラというユニークな“二刀流”で、GPU依存の世界に多様性をもたらす存在です。
オープンな開発環境とメッシュ拡張、アジア大手との連携、アナログ/チップレット強化による垂直化…。
日本語情報は稀少ですが、研究・PoCからの本番移行が進む局面では一気に可視化される可能性があります。
AIインフラの“次の選択肢”として、継続モニタリングをおすすめします。

※本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。

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