米国ETFの分配金はいつ支払われる?
ETFの分配金とは?
ETF(上場投資信託)は、株式や債券、リートなどの金融商品をまとめて保有している投資信託を証券取引所で株のように売買できる仕組みです。そのETFが保有している企業や資産から配当金や利息を受け取った場合、それを投資家に「分配金」という形で還元します。
つまり、ETFの分配金はETFを持っているだけで定期的にもらえる収益のことです。株の配当と同じ感覚で考えてOKですが、ETFの場合は複数の企業から集まった配当をまとめて分配してくれるのが特徴です。
支払日は銘柄ごとに違う
米国ETFの分配金は毎月出るものではなく、銘柄ごとに支払月が決まっています。たとえば:
- ✅ VOO(S&P500連動ETF) → 年4回(3・6・9・12月)
- ✅ QQQ(ナスダック100連動ETF) → 年4回(3・6・9・12月)
- ✅ SPYD・HDV・VYM(高配当ETF) → 年4回(3・6・9・12月)
👉 ほとんどの米国ETFは四半期に1回分配金を出す仕組みです。ただし、銘柄によっては毎月分配のETF(例:JEPIなど)もあり、どのETFを買うかで受け取りの頻度が変わります。
レコード日と支払日の関係
ETFの分配金をもらうには「レコード日(権利確定日)」にETFを保有している必要があります。
これは「この日に持っていた人に分配金を払います」という基準日で、株の権利確定日と同じ考え方です。
そしてレコード日からおよそ2〜3週間後に支払日がきて、分配金が証券口座に入金されます。
👉 つまり、レコード日の時点でETFを持っていれば、支払日までに売ってしまっても分配金は受け取れるのがポイントです。
主要ETFの分配金スケジュール例
VOO(バンガードS&P500 ETF)
VOOは、米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動するETFで、アップル、マイクロソフト、アマゾンなど世界を代表する企業が含まれています。
分配金は年4回(3月・6月・9月・12月)支払われます。VOOの分配金は比較的安定しており、米国の経済全体の成長とともに徐々に増えていく傾向があります。NISA口座で保有すれば、これらの分配金は日本で非課税で受け取れるのも大きな魅力です。
SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当ETF)
SPYDは、S&P500構成銘柄の中から高配当株80銘柄を均等に組み入れたETFで、特に高配当ETFとして多くの個人投資家に人気です。
分配金は年4回(3月・6月・9月・12月)支払われます。SPYDはVOOに比べて分配金利回りが高いのが特徴で、分配金を楽しみに保有する投資家も多く、インカムゲイン重視の人に向いています。
HDV・VYM(iシェアーズ高配当ETF、バンガード高配当ETF)
HDV(iシェアーズ・コア米国高配当ETF)とVYM(バンガード・米国高配当株ETF)も、いずれも四半期ごと(3月・6月・9月・12月)に分配金を支払います。
ただし、分配金の支払日や金額はETFが保有する企業の決算スケジュールによって多少変動します。特に高配当株中心のETFなので、景気や企業業績によって分配金額が増減する可能性があります。
👉 これらのETFはいずれも長期保有向きで、「毎年4回の分配金をコツコツ受け取る」という投資スタイルにピッタリです。
NISAでETFの分配金を受け取るときのポイント
分配金もNISAなら非課税
通常、米国ETFの分配金には米国で10%の源泉徴収が行われ、さらに日本でも20.315%の課税があります。しかし、NISA口座で購入したETFからの分配金は日本での課税がゼロです。
👉 つまり、米国で引かれる10%はそのままですが、日本分の20.315%がかからないため、NISAは高配当ETFとの相性が非常に良いのです。
ドルで受け取るか円で受け取るか
分配金をドル建てで受け取るか、円に自動換算して受け取るかは証券会社で選べます。
- ✅ ドル受け取り:そのまま再投資に使える/為替コストを抑えられる
- ✅ 円受け取り:日本円で使える/引き出しやすい
👉 たとえば、配当金を再投資して買い増ししたい人はドルのまま受け取り、生活資金や小遣いに使いたい人は円で受け取る、といった使い分けが可能です。
支払日は数日ズレることもある
ETFのレコード日(権利確定日)に保有していれば分配金を受け取る権利がありますが、実際に証券口座に入金されるのは支払日です。
また、米国の祝日や証券会社の処理タイミングによって、1〜2日入金が遅れることもあります。
👉 分配金は必ず支払われますので焦らず待ちましょう。「予定額」として反映された後、数日以内に実際の入金が確認できます。
初心者が混乱しやすいETF分配金の疑問Q&A
ETFの分配金はいつ通知される?
多くの証券会社では、分配金の権利確定日が過ぎると、マイページや取引履歴に「分配金予定」として表示されます。支払日になると「入金済み」に更新され、残高にも反映されます。
👉 メール通知を設定している場合、分配金入金のお知らせメールが届くこともあります。
分配金は自動で再投資される?
米国ETFの分配金は自動再投資されません。受け取った分配金は現金(ドルまたは円)として証券口座に入金され、自分で再投資する必要があります。
👉 投資信託とは違い、自動的に買い増しされないため、配当再投資をしたい場合は自分でETFを買い足す必要があります。
分配金はどれくらいもらえる?
ETFの分配金額は保有株数 × 1株あたりの分配金額で計算されます。たとえ1株だけの保有でも、きちんと分配金は受け取れるのがETFの魅力です。
- ✅ 例:SPYDを10株保有 → 1株0.40ドルの分配金なら4.00ドル
- ✅ 例:VOOを1株保有 → 1株1.50ドルの分配金なら1.50ドル
👉 ETFは少額投資でも分配金が得られるので、初心者でも資産形成を実感しやすいのが特徴です。
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