米国株は円貨決済と外貨決済どっちがお得?NISA対応で為替手数料を比較【初心者向け】
米国株を買うときは円貨決済と外貨決済のどちらを選ぶかで、長期的なコストが大きく変わります。本記事では、両者の仕組みの違いと為替手数料(スプレッド)、投資スタイル別の向き不向き、証券会社ごとの特徴までを「少額×初心者×新NISA」の視点で整理します。
注意: 手数料や取扱条件は変更される可能性があります。公開前に、必ず各証券会社の最新情報に差し替えてからご利用ください。
米国株の「円貨決済」と「外貨決済」の違い【まずここを理解】
円貨決済は、注文時に日本円だけ用意しておけばよく、証券会社が裏側で自動的にドル転(円→ドル両替)して米国株を購入する方式です。外貨決済は、事前に自分で円をドルに両替し、ドル残高を使って米国株を売買する方法です。主要ネット証券(SBI・楽天・マネックス)はどちらにも対応しています。
かんたんに言うと、「手間は少ないがコスト高になりやすい円貨決済」と「ひと手間かかるが両替コストを抑えやすい外貨決済」という関係です。
仕組みの違いをフローで比較
円貨決済フロー(初心者が最初に選びがち)
- 日本円で米国株の買付注文
- 証券会社がその場で円→ドル転(為替手数料が内包)
- ドル建てで米国株が約定・受渡
外貨決済フロー(コスト重視の人向け)
- 銀行や証券内FXなどで事前に円→ドル両替
- 外貨(ドル)残高を確認
- ドル残高を使って米国株の買付注文
為替手数料・スプレッドを比較【円貨決済 vs 外貨決済】
米国株の実質コストは、売買手数料だけでなく為替手数料(スプレッド)でも変わります。為替手数料は多くの場合、「1ドルあたり◯銭(片道)」で表記され、買うときと売るときの往復で2倍のコストになります。
| 証券会社 | 円貨決済(即時ドル転) | 外貨決済(事前両替) | 主なポイント |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | 目安:約25銭/片道 | 住信SBIネット銀行経由で約2銭/片道の例 | 低コスト志向の定番ルート。外貨入出金の選択肢も多く、長期投資と相性◎ |
| 楽天証券 | 目安:約25銭/片道 | 外貨入金対応(条件あり) | 楽天ポイント投資を使うなら円貨決済が中心。UIがわかりやすく初心者向き。 |
| マネックス証券 | 目安:約25銭/片道 | 外貨入出金に対応 | 米国株の情報ツールが充実。銘柄研究をしながらじっくり投資したい人向け。 |
かんたん試算:為替手数料だけでどれくらい差がつく?
- 両替額:2,000ドル、為替手数料:25銭/片道(0.25円)
- 円貨決済のみで往復:0.25円 × 2,000ドル × 往復2回 ≒ 1,000円
- 外貨決済(2銭)で往復:0.02円 × 2,000ドル × 往復2回 ≒ 80円
同じ銘柄を買って売るだけでも、為替ルートを変えるだけで数百円〜数千円レベルの差が積み上がります。特に新NISAで長期に積み立てる人ほど、為替コストの最適化は重要です。
ケース別:円貨決済と外貨決済の使い分け
① 少額&お試し投資(数万円〜十数万円)
- おすすめ:円貨決済
- 操作が直感的で、米国株デビューや新NISAの最初の1本に向いています。
- ポイント投資(楽天ポイント・Vポイントなど)を組み合わせるなら、円貨決済の方がスムーズです。
② 長期×積立×高額(毎月数万円〜、合計数十万円以上)
- おすすめ:外貨決済
- 住信SBIネット銀行などを経由してドル転すると、為替手数料を大幅に圧縮できます。
- 配当金や分配金をドルのままプールして、高配当ETFや米国株に再投資しやすくなります。
③ 配当金をどう使いたいかで決める
- 円貨決済中心:配当・分配金を日本円でそのまま生活費に使いたい人に向く。
- 外貨決済中心:ドル建てで受け取った配当をそのままDRIP的に再投資したい人に有利。
外貨決済に向いている人/円貨決済に向いている人
外貨決済が向いている投資家像
- 新NISAで長期・高額をコツコツ積み立てたい
- ドル転のタイミングを自分で選び、円安・円高をある程度意識したい
- 配当をドルで受け取り、米国ETF・米国株に再投資していきたい
円貨決済が向いている投資家像
- まずは少額で米国株を体験したい初心者
- ポイント投資をメインにして、手間を増やしたくない
- 配当金は円でもらって口座残高として眺めたい
米国株を円貨・外貨で買う手順(共通フロー)
円貨決済の基本ステップ
- 日本円を証券口座に入金する
- 買いたい米国株・米国ETFを選び、「円貨決済」を指定して成行または指値で注文
- 約定後、受渡日のタイミングで自動的に円→ドルへ両替され決済完了
外貨決済の基本ステップ
- 銀行や証券会社の両替機能・FX口座などで事前に円→ドル両替を行う
- 証券口座の「外貨買付余力(ドル残高)」を確認
- 銘柄を選び、「外貨決済」を指定して買付注文(成行/指値)
ヒント: 新NISAの成長投資枠で米国株・ETFを買う場合、「非課税×為替コスト削減」の組み合わせが長期のパフォーマンスに効いてきます。
証券会社ミニ比較(円貨/外貨・ポイント・時間外取引)
| 証券会社 | 円貨決済 | 外貨決済 | ポイント投資 | 時間外取引(プレ/アフター) | 新NISA対応 | 一言メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | ○(シンプル操作) | ○(住信SBI経由で低コスト両替) | ○(Vポイント等) | ○(条件付き) | ○ | 総合力重視。コスト最小化と商品ラインナップのバランスが良い。 |
| 楽天証券 | ○ | ○(外貨入金可) | ◎(楽天ポイント) | ○(条件付き) | ○ | 楽天経済圏ユーザー向き。少額×ポイント投資×円貨決済が始めやすい。 |
| マネックス証券 | ○ | ○(外貨入出金) | △(一部サービス経由) | ○(条件付き) | ○ | 米株の情報ツールが豊富。銘柄分析をしっかりしたい人に向く。 |
まとめ|コスト重視なら外貨決済、手軽さ重視なら円貨決済
- 少額・お試し投資なら円貨決済でOK(操作が簡単でストレスが少ない)
- 長期・高額で積み立てるなら外貨決済を検討(為替手数料の差が将来のリターンに直結)
- 配当・分配金をドルで再投資したい人は外貨決済との組み合わせが強力
- 新NISAの非課税メリットに、為替コストの最適化を掛け合わせることで、米国株投資の効率を一段と高められます。


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